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 東京高裁・傍聴席より スーパー堤防と共謀罪

裁判所135kb
 

2017・5・23 東京高裁101大法廷

わたしは 平成16年に二所帯住宅を建て北小岩に暮らしていました
スーパー堤防をつくるから立ち退きなさい と江戸川区の職員が訪ねてきました
 妻は動揺して 平成24年ころから精神的に不安定になりました
それが原因でしょうか 左足に壊死がおきまして歩行が困難になりました
妻は それまで詠んでいた俳句も創らなくなり 主催していた季刊誌も休刊と
しました その間にも江戸川区の職員がやってきまして
スーパー堤防を造るからたちのきなさい たちのきなさい
 妻は追いこまれ 顔面麻痺にかかり 橋から飛び込もうとさえしました
わたしは 移転をこばみましたが ハンを押さなければ強制的に執行するぞ
たちのきなさい とせまられ 妻のこともあり 消耗しました
 いま仮住まいをしていますが 盛り土した堤防の上に妻や子供はもどりたく
ないと言います わたしは戻りたいと思っていました 家族はばらばらで崩壊
状態です
 ことしの3月31日に引き渡される予定でした それが突然 盛り土した建
設予定地は地耐力不足
 国と江戸川区の職員がやってきまして すこし待って
くれと言います 国が地盤に固化材を注入して強化しますと言います
 どういうことですか 江戸川区は国に強度を確認しないで受け取ったのです
か 安心で安全な土地になるからたちのきなさい たちのきなさいと言い続け
てきたのではないですか そんな土地でわたしの所有権はどうなるのですか
いっそのこと 国が買い上げてください 
住民へも配慮がまるでなく無頓着です 本事業がわたしや家族の人生設計に
与えた影響ははかり知れないほど大きい そもそも この事業は しくみが間
違っています

以上は控訴人のおひとり宮坂健司さんの陳述です。
傍聴席での聴き書き。省略部分があります。宮坂さんの陳述と言い回しに違い
があるかもしれないことを、おことわりしておきます。
4時すぎに閉廷。このあと参議院会館D107号室にて、裁判の報告会。

宮坂さん西島弁護士と87kb
(裁判後の報告会で、地耐力不足の盛り土場所を説明する宮坂健司さん)

控訴人 高橋信一さん D107号室

ふざけるな ここを 江戸川区まちこわし記念公園にして国が買い取れ
わたしのところへ 地耐力不足で引き渡しが遅れると 国から3名 江戸川区
から2名の職員が説明にきました
とんでもない話だ 江戸川区まちこわし記念公園として
国が買い取れと 追い返しました 国交省と江戸川区は街作りをやる気がある
のか そもそも堤防の上に人が住むなんてムリがある だれが責任をとるのか

高橋さん75kb
控訴人代表・高橋信一さんの怒りの報告が終わったところで、弁護団の方から
「さきほど、4時過ぎに、共謀罪が衆議院で可決されました」とアナウンスさ
れました。
衆議院で可決してから23日後。2017年6月15日 午前7時45分
共謀罪が参議院で可決 法案は成立。  


前夜 抗議に集まったひとびと 国会前

「与党は自分たちに都合の良いことばかりで 議論はめちゃくちゃだった 今ま
でで一番ひどい 政府の方針に反対したらアウトになりそうな雰囲気 法律がで
きれば こうした劇もしづらくなるのでは」 劇団所属27

「テロって とってつけたよう 東京でもテロがおきないとはいえないが 新た
に法律を作る必要はない」 三鷹市会社員47

「むちゃくちゃ これだけやられても野党は抵抗できないのか」 大垣市住職65
「LINEにこれを書いたら密告されちゃうかもと思ったら 怖くて書けなくな
るかも 人間関係にもかかわる」 元シールズメンバー20 

「LINEとかツイッターとか監視されるのフツーに気持ち悪いから」 学生18

「もう裁決されるというニュースを聞いて 子供たちの未来が心配で心配で・・」
女性公務員38

「平和で自由な未来を残したいだけ。このままでは子供に申し訳なくて」 江東
区72

「法案の中身もひどいが 手続きもひどい 国会軽視イコール国民軽視だ」主婦
48
(以上は朝日、東京新聞 15日朝刊記事から) 

国会前78kb
(上の写真、15日東京新聞朝刊より)

共謀罪成立。ぼくの頭のなかを猛スピードで歴史フィルムが逆回転を始め、
戦前にまで遡りつくとそこは昭和、監視社会で窒息しそうな“昭和”が顫えている。
ふと、脳裏に浮かんだのは宮尾節子さんの詩


明日戦争がはじまる
まいにち
満員電車に乗って
人を人とも
思わなくなった

インターネットの
掲示板のカキコミで
心を心とも
思わなくなった

虐待死や
自殺のひんぱつに
命を命と
思わなくなった

じゅんび

ばっちりだ

戦争を戦争と
思わなくなるために
いよいよ
明日戦争がはじまる

ぼくはこの詩に、勝手に続篇を書きはじめた
なにも考えないほうが楽だから
とあなたは背をまるめてしまって
なにも言わない方が安全だからと
わたしに活字のない新聞をひろげ
読んでくださいますかとふりむいた顔
から剥がれ落ちたわらい 
ラップフィルムのような笑い
あきらめたことに後悔しない日
ばっちりだ
準備は整った
戦争がはじまる
明日戦争がはじまる
・・と駄詩を書いていたところへ、


明日の自由を守る若手弁護士の会からメール 2017・6・15・22時35分
 
共謀罪(テロ等準備罪)が作られた今、「これからどうすればいいの」と震え
るすべての方へ。どうか、けっして、萎縮しないで下さい。その震え、その不安
こそが権力の狙い
なのですから。 
私たちには自由にものを考え、表現する自由があります。心の中を誰にも覗か
れない自由があります。憲法に違反する共謀罪のせいで、皆さんが自発的に自由
を手放したら、永遠にこの国の民主主義は帰ってきません。一人ひとりが考え、
表現し続けることは、「共謀罪」を運用させずに死文化させる大きな圧力になり
ます。(中略)
国民の心を侵すことになんのためらいもなく、同法案に賛成した政府・与党、
すべての国会議員を、私たちは忘れません。全身の血が沸くほどの怒りをもっ
て、あなたたちを許しません。
 落胆、やりきれない思い、徒労感。すべての重い気持ちで押しつぶされそう
になっているすべての人へ。それでも希望はあるのです。あなたがその怒りを
前向きなエネルギー
に変えてくれる限り!
 私たちはいまある自由と、自由でいられる社会を手放したくありません。子
どもたちの尊厳と自由も、穏やかな民主主義の社会も、手放すつもりはありま
せん。
 私たち「あすわか」570名は法律家として、主権者として、「不断の努力」
共謀罪を廃止させることを誓います。

再び 参議院会館 D107号室

「あすわか」570名の檄文にはげまされて、再び高等裁判所に戻る。
大江弁護団長が言い切った「敵は裁判所だ」という言葉にまた顫えた、心が強
く共振しました。

SP堤防訴訟団72kb
北小岩64kb
 (北小岩のスーパ―堤防、区画整理された耐震力不足の盛り土が奥に見られる)

  ほぼ100m単位のこま切れ堤防を造るために、住民を立ち退かせる。中国の
田舎町で起きている立ち退きニュースが、東京のど真ん中で再現されています。
しかも、堤防がすべて繋がるまでに1000年が掛かるだろうという、妖怪公共事
業。だれのためになんのためにこんな堤防を造るのか? だれが幸せになり、
だれが豊かになるのだろうか? 
そして共謀罪はこんな住民訴訟にまで密かに監視の目を光らせるのだろうか?


監視カメラ

2017・6・17 共謀罪賛成世論の内実 (東京新聞朝刊 こちら特報部

「こちら特報部」が16日、東京・JR有楽町駅前で20人に共謀罪法への賛否
を聞いたところ、賛成9人、反対は4人、「どちらとも言えない・分からない」
が7人
だった。 (賛成の9人は)安倍政権の「テロを防止していく上で極め
て重要」との主張に賛同した格好だ。
「英国でもテロが最近頻発していて 日本でも起きないとは限らない 国際条
約を締結し 各国から情報をもらう必要もあるだろう 現行法で十分に対応で
きないところがあるなら 共謀罪は必要だ」千葉県無職男性72
「政府の説明が足りないのは問題だが 何か起きてからでは遅い 必要な法律
だ」川口市会社員男性72
「使い方を間違うと 犯罪と関係ない人も巻き込まれるだけに今後を考えると
怖いが 不穏な世界情勢を考えればあったほうがいい」草加市会社員女性48
 「こちら特報部」は「賛成世論の内実」を冷静に分析したうえで、最後を
こう結んでいる
ジャーナリストの今井一氏は、共謀罪に反対する人たちに呼びかける。
「ただ安倍政権に反対するだけでなく 国民が国民に日頃から働きかけるよう
発想をかえるべきだ 相手の考えを変える努力をすることが有権者の役割だ
家庭や職場 学校で日頃から政治について話をする必要がある」

今井一さんの言うとおりでしょうね、ぼくたちは隣人ひとりひとりに、共謀罪と
はテロを防ぐという名目で、結局は体制を批判する市民団体を監視するための
法律なんだよと、丁寧に説明し続ける、説得し続けて、この法案を葬り去る政
治家を多数国会に送り込むことを、根気よく続ける、粘り強く続けること。
健全で民主的な社会をつくるとは、そういうことを積み重ね、積み重ねること。


2017・5・17 23時30分記 山本喜浩  

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Tokyo no Mizu

Author:Tokyo no Mizu
プロフィル

東京都は水道水のほぼ60%を利根川水系・荒川水系に依存しています。
つまり、自給率はほぼ40%。こんな自給率で異常気象や大地震が引き起こす
災害に備えることが出来るのでしょか。
私たちは大変に危うい水行政の元で暮らしています。
これまで東京の河川・地下水の保全と有効利用をめざしてきた市民グループ、
首都圏のダム問題に取り組んできた市民グループらが結束して、
「東京の水連絡会」を設立しました。
私たちは身近な水源を大切にし、都民のための水行政を東京都に求めると同時に、
私たちの力でより良い改革を実践していきます。
東京の水環境を良くしようと考えている皆さま、私たちと共に歩み始めましょう。
2016年9月24日。        
                         

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