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水の月刊ニュース・11月号

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水のニュース11月号は、202110月に起きたニュースをまとめたものです。(ニュースは新聞記事やテレビ報道を要約していますが、記事の趣旨を損なわないようにしています。)

 軽石被害で漁業支援検討 政府が対策会議

 ①軽石

(沖縄県国頭村の辺土名漁港に漂着した大量の軽石(1029日午前)=共同)
松野博一官房長官は29日、小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火で噴出した軽石の被害に関し28日に関係省庁対策会議を設置したと表明した。自治体と連携して「迅速かつ万全の対応をとるように」と指示した。                     
岸田文雄首相は29日、鹿児島市での街頭演説で「漁業に大きな影響が出ている。しっかりと対応する」と述べた。  
日経新聞 1029

 リニアの行方 工事差し止め訴訟弁論 大井川流域住民「環境権の侵害」 

②A・リニア新幹線

 (リニア工事現場 日刊建設新聞2018323日号)
 リニア中央新幹線の建設工事を巡り、大井川の流域住民らがJR東海を相手取り、県内区間(107キロ)の工事の差し止めを求めた訴訟の第4回口頭弁論が8日、静岡地裁(増田吉則裁判長)であった。                 
 原告側は「工事により、南アルプスの豊かな自然を享受する環境権が侵害される」と主張した。JR東海側はこれまで、原告側の「大井川の流量や中下流域の地下水が減る」との主張に根拠がないと指摘。環境権の侵害についても「権利の成立要件や内容が不明確で、差し止め請求の根拠にならない」としていた。

 原告は8日までに提出した準備書面で「大井川の水源である南アルプスには多様な自然環境や生態系が存在し、直下を通るトンネルの建設により大規模な環境破壊が生じる」などと主張。「環境権は法律で保障されており、これを侵害する工事は直ちに差し止められるべきだ」と反論した。   毎日新聞静岡版 1010

 

「田んぼダム」に洪水の抑制効果 仕切り板1枚で迅速導入&低コスト…

2021年の9月は台風14号が大分県内に接近し、佐伯市では降り始めからの雨量が201mmと平年の9 1カ月分の雨量の半分以上を観測した。
こうした大量の雨による被害を防ぐ役割を担っているのが「ダム」。
今回はその「ダム」について、新たな取り組みなどをお伝えする。

田んぼを使った「流域治水」に注目
多発する豪雨に対応しようと広がりを見せているのが、「流域治水」という考え方。ダムや川の護岸整備だけでなく、流域にある土地などを活用し、地域全体で水を受け止めて河川の氾濫を防ぐというものだ。
その1つが「田んぼダム」。
使用するのは仕切り板で、下の部分は中央にわずかな隙間を作っている。

 ②B・仕切り版
この板を使うのは田んぼの排水口で、水が水路へと流れていく場所。
その排水口に仕切り板を設置すると、排水口に流れ込む水の多くをせき止めることができる。

③仕切り版の設置

つまり、田んぼにダムのように水をためて、水路に流れ込む水の量を減らすことができるという仕組みだ。
この田んぼダムについて、由布市内で実証実験が行われている。
8
月の長雨の際に仕切り板を設置したところ、河川に流れ込む水の量を半分程度に減らすことができたという。
田んぼダムが増えていくと、流域全体での治水能力も高まっていくということ。

④仕切り版B

 迅速に導入でき、費用もあまりかからない。大分県は2022年度から、この田んぼダムを県内の広い範囲に導入していきたいとしている。  テレビ大分1017
(田んぼダムの先進地区では、洪水被害が起きそうになってから溜め始める、という効率的な運用も試行されています。東京の水連絡会)


控訴棄却「平穏生活権は不明確」と司法 長崎県石木ダム

⑤石木ダム
 長崎県と佐世保市が計画する石木ダム(川棚町)事業の工事差し止めを求めた控訴審は、自分の選んだ土地で平穏に暮らすという住民の権利は「抽象的で不明確」と断じた長崎地裁佐世保支部の一審判決を踏襲して終わった。

 水は必要なのか、ダムがないと洪水を防げないのかといった点について司法は、またも判断を避けた。原告・弁護団は上告の意思を表明した。
福岡高裁の法廷。「各控訴をいずれも棄却する」そう告げて引きあげようとする裁判長の背に、傍聴席から「何を審理したんだ!」と声が飛んだ。控訴人席で背筋を伸ばして判決を待った岩下和雄さん(74)はその瞬間、背もたれに身を預けた。
 判決では、平穏生活権を「抽象的で不明確、成立要件や法的効果も不明確」と退けた。さらに、住民側が8月の豪雨をもとに「100年に1度の大雨でも洪水は起きないと証明する新データが得られた」と、6月に結審した裁判の審理再開を裁判所に求めた申し入れには言及もしなかった。
 
その一方、従来の裁判ではほとんど触れられることのなかった1972年夏の「覚書」に言及。県は地元の了解なしでダムは造らないとするこの書面を水没予定の3集落と交わして予備調査を始めながら、建設可能と判断すると約束を反故(ほご)にして手続きを進めた。住民が「裏切り」の証拠として記憶する文書だ。       
 判決では、地元の理解はまだ得られていないとして覚書を踏まえ「今後も理解を得るよう努力することが求められる」と県に説いた。同時に、覚書で事業の継続は左右されないと釘を刺すことも忘れなかった。  朝日新聞1022

(住民ら270人は1031日、住民側の請求を退けた福岡高裁判決を不服として、最高裁に上告しました。
なお、判決文の「今後も理解を得るよう努力することが求められる」とは、長崎県が「理解を求める話合い」=「今後の生活についての話合い」として13世帯に迫り続け、「疲れ果てるのを待つ」帰結になるでしょう。それこそ、とんでもない人権侵害であると考えます。一刻も早く「工事の中止」を決断させねばなりません。東京の水連絡会)

 
なぜ自分たちが犠牲に?」霞堤と集団移転、治水対策に揺れる集落

⑥那珂川

 下境地区を流れる那珂川。奥の左岸側に霞堤が整備される予定だ=栃木県那須烏山市

 ⑦霞提マップ
(那須烏山市下境地区の霞堤計画マップ)
 201910月の台風19号は、100人を超す死者・行方不明者を出した。本流・支流を含め71河川の142カ所で堤防が決壊し、3万戸超が全半壊した。福島、栃木両県境の那須岳から太平洋に注ぐ1級河川の那珂(なか)川もその一つ。国や自治体が掲げる新たな治水対策に、ある小さな集落が揺れている。
栃木・下境地区 台風19号で約3割が浸水

 茨城県境近くにある栃木県那須烏山市の下境(しもざかい)地区の人口は600人ほど。那珂川が集落を囲むように蛇行しながら流れ、過去に何度も水害が発生した。台風19号でも地区の約3割にあたる72世帯が浸水した。川から約400メートルの場所に立つ住宅には、2メートル近い天井付近まで水の跡がいまも残っている。被害を受け、水害対策事業が持ち上がった。

 まず国が昨年1月、「霞堤(かすみてい)」と呼ばれる堤防の整備を公表した。氾濫(はんらん)が予想される地区内の川沿いに長さ計約18キロの堤防をつくり、一部に「切れ目」を設ける。洪水時は川の水を切れ目から田畑などに意図的に流し込み、河川の全体流量を抑える。19号では下流の茨城県常陸大宮市などで堤防3カ所が決壊したが、下流の水位を下げる効果がある。地区内では霞堤による浸水が起きるが、その面積は従来より2割ほど減ると、国は説明する。
 もう一つは被災地域の住民を安全な土地へ移転させる「防災集団移転促進事業」で、那須烏山市が昨年10月に提案した。市町村が移転先の用地取得などを行い、費用の4分の3を国が補助する。ただ、慣れ親しんだ土地からの移転は住民の同意が難しく、東日本大震災以降に実施例はない。

 国土交通省によると、霞堤は24年度に完成する見通し。集団移転24年度までに事業計画をつくる方針だが、市の担当者は「進捗(しんちょく)状況は1割にもいかない」と打ち明ける。
 下境地区で農業を営む70代の男性は「なぜ(下流の)茨城のために自分たちが犠牲にならなきゃいけないのか」。地区の代表自治会長の両方(りょうかた)恒雄さん(69)も「いままで通り水害に遭うなら誰も納得しない。移転についても、若い人と年寄りでは家族内でも意見が違う」と話す。   朝日新聞1025
(川との付き合い方は流域住民の合意形成で決めることです。流域自治の確立が急務と考えます。それが、求められる流域治水ではないでしょうか。東京の水連絡会)


熱海土石流、盛り土の造成業者と土地所有者に強制捜査

⑧熱海土石流

(熱海土石流で行方不明者の捜索を行う消防隊員・7月17日)

 静岡県熱海市で7月に発生した土石流災害で、静岡県警は28日、起点付近の盛り土の造成や安全管理に問題があった疑いがあるとして、造成業者や土地所有者の関係先に業務上過失致死容疑などで捜索に入り、強制捜査に乗り出した。

 土石流は7月3日に発生。26人が死亡し、1人が行方不明になっている。県などは、土石流の大半を占めた盛り土が被害を甚大化させたとみている。遺族は8月、届け出とは異なる方法で造成された盛り土の崩落で家族を死亡させたとして、造成業者を業務上過失致死容疑で、土地所有者を重過失致死容疑で告訴し、県警が受理していた。他の複数の遺族も、業者らを追加で近く告訴する見通しだ。
県警は、捜索で資料を押収して精査したうえで、今後は関係者から事情を聞くなどし、盛り土造成の経緯や土石流発生との因果関係などについて調べる。
業者らに対しては、遺族や被災者ら70人が9月、適切な管理を怠ったなどとして約32億7000万円の損害賠償を求める訴訟も起こしている。   読売新聞1028

 
沖縄の病院の地下水から「PFAS」 国の目標値の2.34

 ⑨沖縄PFOS

 琉球病院(沖縄県金武町)は27日、水道水と地下水源から、国の暫定目標値(1リットル当たり50ナノグラム)を超える有機フッ素化合物PFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)を含むPFAS(ピーファス)が検出されたと発表した。町内の地下水源などから目標値超のPFASが検出されたことを受け、独自で調査した。結果が判明した8日に、原因とみられる地下水源からの取水を停止した。
 値を超えたのは敷地内の井戸水と院内の水道水。井戸水からはPFOS81ナノグラム、PFOA36ナノグラムで目標値の2.43倍。水道水からはPFOS52ナノグラム、PFOA26ナノグラムで目標値の1.56倍が検出された。
250260人の患者、約300人の職員の飲料水にも使われていた。これまでに健康被害の報告はない。同院は少なくとも4年以上前から、敷地内にある井戸の地下水と町供給の水をブレンドしていた。
 結果が判明した8日に、町供給の水100%に切り替えた。現時点で汚染源が米軍基地かどうかは不明だとし、担当者は「患者や職員の飲み水の安全は確保している」と説明した。
沖縄タイムズ年1028


2021
11・3 記

 

 

 



 

 

 


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Tokyo no Mizu

Author:Tokyo no Mizu
プロフィル

東京都は水道水のほぼ60%を利根川水系・荒川水系に依存しています。
つまり、自給率はほぼ40%。こんな自給率で異常気象や大地震が引き起こす
災害に備えることが出来るのでしょか。
私たちは大変に危うい水行政の元で暮らしています。
これまで東京の河川・地下水の保全と有効利用をめざしてきた市民グループ、
首都圏のダム問題に取り組んできた市民グループらが結束して、
「東京の水連絡会」を設立しました。
私たちは身近な水源を大切にし、都民のための水行政を東京都に求めると同時に、
私たちの力でより良い改革を実践していきます。
東京の水環境を良くしようと考えている皆さま、私たちと共に歩み始めましょう。
2016年9月24日。        
                   
      

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