東京都小金井市の地下水保全について その2
- 2022/04/07
- 13:21
私たちに最も身近な「水」は、雨でしょうか。春雨(はるさめ)、梅雨(つゆ)、五月雨(さみだれ)、夕立(ゆうだち)、時雨(しぐれ)・・・など、雨にまつわる言葉も数多くあります。そんな季節ごとに降る「雨」が集まると、「川」の流れをつくります。「川」は流れて集まり「海」になりますが、太陽に温められて天高く上り、上空で冷やされて、また「雨」となって戻ってきます。こうした大きな水循環の中で、降った「雨」は地下にも浸み込んでいき「地下水」になります。
一見、川は地面の上を流れているように見えますが、実は川の下には地面の中にも水が流れているのです。地表に現れているのは、地面の下を流れる地下水が地上にも溢れて流れて見えているという状態なのです。(護岸と川底をコンクリートで3面張りにしているところは別です。)
小金井市内に降った雨は地下水となって、南東の方向に流れていると言われています。そして、その1部が「はけ」と呼ばれる国分寺崖線から湧き出ているのです。
こうして地球上で循環している「水」ですが、今、とても大変な状況にあります。
それは、水循環が崩れていること。理由の1つは、都市化により家や道路などができることで地面が覆われて、地下に雨が浸透できなくなり、地下水が減っている。また、地下の構造物などにより、水みちが分断されてしまうことです。
梅雨時にしっかり雨が降ると、その夏には地下の水位が高くなります。地下水が多いと太陽で温められた地面から地下水が蒸発していき、打ち水と同じ作用により熱帯夜が少なくなると言われています。
そして、「水」の汚染も深刻な状況です。60年前、河川が泡であふれ悪臭や汚染が広がり、生き物もいなくなりました。現在は泡だらけの河川汚染こそ見られなくなりましたが、化学物質による環境や人体への影響が懸念されています。
こうした状況の中で、きれいな水を守るための一つが1970年代から続いている「石けん運動」です。合成洗剤の水質汚染が環境や人体をむしばむことは、私たちが「被害者」であると同時に「加害者」であるということであり、その視点から、暮らしそのものを見直す活動が展開されました。かつて汚染がひどかった琵琶湖も、合成洗剤から石けんに変える運動でよみがえりました。 石けんは生分解性に優れ、環境や人体へもやさしいのです。
カイワレ大根の発芽実験の写真をご覧ください。
小金井市ではこうした未然防止の観点から、公共施設には石けんを置いています。また、小金井市環境行動指針には、環境活動として、
*洗剤は極力石けんを使用し、合成洗剤を必要以上に使わないよう努めます。
という取り組みの項目があります。(P7:市民の取組、P8:事業者の取組)
◆小金井市環境行動指針
学校給食の指針にも、環境への配慮の項目(P8)に、
*洗剤は石鹸を使用、排水溝にはバイオ製剤を利用し、環境に配慮します。
と記載されています。
◆小金井市学校給食の指針
気になる方は、ぜひ「合成洗剤」と「石けん」の違いを調べて見てください。そして、石けんの愛用者になっていただけたら、「水」もきっと喜ぶと思います。