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News On Water 5月号 東京の水連絡会

赤石川中流部

水の月刊ニュースNEWs On Water5月号は2019年4月1日から30日までに起きた、水に関するニュースをまとめたものです。

辺野古の予定地に残るサンゴ2基  防衛省「移植対象外」を主張
①サンゴ二基
名護市辺野古の埋め立て予定地で、2基のサンゴが移植されずに取り残されている。防衛省は「調査の結果、移植対象の基準(長径が1m以上)を満たしていない」と主張するが、複数の専門家が疑問視している。
問題の2基のサンゴは、辺野古崎先端で建設が進む護岸のそばにある。昨年6月に朝日新聞が存在を報じたのを受け、防衛省に委託された建設コンサルタント会社が調査した。
報告書では、一方は基盤の長径が1・6メートルで側面にハマサンゴ、もう一方は基盤の長径が2・9メートルで側面にシコロサンゴの仲間の生息を確認したという。
だが、ハマサンゴは最大で長径90センチの群体四つ以上から成り立ち、シコロサンゴは「基盤側面に帯状に生息」と記載。いずれも「長径が1メートルを超える群体は確認されなかった」とした。
報告書を見た日本サンゴ礁学会会長の日高道雄・琉球大名誉教授は、ハマサンゴについて「元々一つの大きな群体で、一部組織が死んで分かれたと考えられる。通常は骨格が連続していれば一つの群体と考える」と指摘。サンゴ礁地形に詳しい堀信行・東京都立大名誉教授は、シコロサンゴの方も「明らかに大きな一つの群体で、移植条件を満たす」と話した。 朝日新聞4月7日

セーリング東京五輪会場 津波避難は困難 8分で浸水
②江の島A
2020年東京五輪でセーリング競技が開かれる神奈川県藤沢市江の島の「湘南港」は大地震に伴う津波発生時、避難が困難なエリアであることが判明した。
毎日新聞が情報公開請求で入手したシミュレーションデータによると、競技中に想定地震が発生した場合、約90秒後に津波が選手やスタッフの所在する場所に到達し、約6~8分後には観客の立ち入り想定区域も浸水する。20年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は「避難は可能」とするが、専門家は困難さを指摘し「観客らにリスクを周知すべきだ」と指摘する。   毎日新聞 4月9日

熊本の地下水増えていた 地震前と比較調査で判明
③熊本の地下水
2016年の熊本地震後に、熊本市など阿蘇外輪山山麓で減ったと思われていた地下水が、むしろ増加傾向にあることが熊本大大学院先端科学研究部の細野高啓准教授(水圏環境科学)ら日本地下水学会調査班の共同研究で分かった。
熊本市は阿蘇山麓などで涵養された豊富な地下水で74万人の水道水をまかなう。地震直後に市内の名勝水前寺成趣(じょうじゅ)園の池が涸れるなど異変が発生したことから、調査班が16年度から3年計画で市周辺94カ所の地下水観測井戸の水位や水質の変化を分析してきた。
研究によると、地震の数分後から市周辺で地下水位が最大約5メートル低下したが、数日から1カ月で水位はほぼ回復。一方、地震2カ月後ごろから熊本市より東側で地下水位の上昇が顕著になり、地震1年後には阿蘇山麓の観測井戸の9割で上昇した。変化は最大約5メートルに達した。西日本新聞 4月9日

計画凍結中の大戸川ダムを容認へ 滋賀県知事が方針転換
④大戸川ダム
国が大津市に建設を予定し、計画が凍結されている淀川水系の大戸川(だいどがわ)ダムを巡り、滋賀県の三日月大造知事はダムの建設を容認する方針を固めた。
大戸川ダムは治水専用ダムで、1968年に国が予備計画調査に着手したが、05年に国土交通省近畿地方整備局の諮問機関「淀川水系流域委員会」が「効果が限定的」として建設見直しを提言。その後、嘉田由紀子・滋賀県前知事や橋下徹・大阪府知事(当時)らが共同見解を発表し、国は09年に事業凍結に追い込まれた。
滋賀県は昨年5月から、大戸川ダムの治水効果などを検証する独自の勉強会を設置。今年3月には、氾濫の抑制などダムの効果を認める報告をまとめていた。
これを受け、三日月知事は大戸川ダムに一定の効果があると判断。嘉田氏はダムだけに頼らない治水を進める「脱ダム」路線を敷いてきたが、その方針を転換することを決断した。 毎日新聞 4月16日

「淀川水系流域委員会」は、この時、他に淀川水系の3つのダム事業見直しを提言しています。 この委員会は1997年の河川法改正の趣旨にのっとった住民参加型の画期的な運営スタイルを貫き、後に「淀川モデル」と評価されています。 
東京の水連絡会

冬越せぬはず 生き延びた死滅回遊魚 
⑤生き残った温暖魚(写真は、セナキルリスズメダイの幼魚 静岡県松崎町雲見)
静岡県の伊豆半島周辺海域で、普段はこの季節に見ることができない種類の魚が多数、観察されている。夏から秋にかけて、黒潮に乗って南方から幼魚が来る「季節来遊魚」だ。例年は海水温が下がる2月から3月にかけて死滅するため「死滅回遊魚」とも呼ばれているが、今年は海水温が下がらず、4月になっても生き延びている。
4月2日、同県松崎町雲見の駿河湾に、地元ガイドの糸井泰久さん(54)の案内で潜った。水深20メートル、水温は17度。まず見つけたのは紅白の彩りが鮮やかなクマドリカエルアンコウ。続いてチェック模様が特徴のクダゴンベ、さらにキツネベラ、セナキルリスズメダイ・・・
1990年から伊豆の海に潜り続けている糸井さんだが、「南方種が越冬するのを見たのは初めて」と話す。かわりに藻類の育ちが悪いと云う。温暖化が忍び寄っているのか。   朝日新聞デジタル 4月17日

農業用ため池法成立 所有者・管理者に届け出義務付け
⑥山形県職員
(写真はため池を点検する山形県職員 山形県HPから)
農業用ため池の管理・保全法が4月19日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。昨年7月の西日本豪雨災害など相次ぐ自然災害を踏まえ、ため池の決壊による災害を防ぐため所有者らに届け出を義務付ける。
全国のため池は約20万カ所に上るとされるが、所有者らの情報があるのは約9万6千カ所にとどまっている。同法では所有者・管理者に都道府県への届け出を義務付け、適正管理の努力義務を課す。また、所有者や管理者が不明なため池も多いことから、市町村がその管理権を取得できる制度も創設する。都道府県は、決壊した場合に被害を及ぼす恐れのあるため池を「特定農業用ため池」に指定する。  農業新聞4月26日

群馬・八ッ場ダム 新時代へジャンプ 山あいの町 政治が翻弄
⑦八ッ場でバンジー
(八ッ場ダムに向かって八ッ場大橋からバンジージャンプする男性)
 「3、2、1、バンジー!」 20日午前、山あいの町に歓声が響いた。
群馬県長野原町に建設中の八ッ場(やんば)ダムの水没予定地にかかる橋に、バンジージャンプの施設が完成し、約30人が体験した。
バンジーに挑戦した萩原睦男町長(47)は顔を紅潮させて、「八ッ場を『問題』ではなく『ブランド』にして話題を発信したい」と語った。 近くでレストランを営む樋田省三さん(54)はランチタイムの準備に追われていた。「たくさんの人が来てくれたらいいんだけど」
戦後の長い反対運動を経て住民がダム建設に合意し、町と県、国が協定を結んだのは平成に入ってからの1992年。予定地で旅館を経営していた樋田さんはこの時期に移転を決めた。 ところが、2009年の民主党政権発足を機に、ダムは「無駄な公共事業」とされ、計画は中止に追い込まれた。
総事業費5320億円のダム建設は必要なのか樋田さんにはわからなかったが、移転先で旅館業を再建するため中止に反対するしかなかった。2年後、国は再び建設へとかじを切った。
町は令和2年(20年)春のダム完成後も観光スポットとしてバンジージャンプ施設を残す。 毎日新聞 4月21日

川棚町議選 ダム反対 炭谷さんトップ当選
⑧炭谷さんB
(演説する炭谷さん)
「当選だ!」 定数14に対し、16人が争った東彼川棚町議選。長崎県と佐世保市が同町に計画する石木ダムの建設予定地の反対地権者で、無所属新人の炭谷猛(すみやたけし)さんがトップで初当選し、選挙事務所で仲間らと議席獲得を喜んだ。
建設予定地である川原地区では反対住民13世帯が暮らすが、県は宅地を含む土地の収用手続きを進めている。「町民の土地が奪われようとしているのに、町も議会も黙ったままだ」と不信感を募らせていた。
反対住民の思いや現状を知ってもらい、ダム問題について考えてもらおうと、2年前から町内各地で学習会を重ねた。世論の広がりを感じ、町議選への出馬を決意。同地区住民や反対運動の支援者の協力を得ながら町中を駆け回り、「自然豊かな川棚にダムは要らない」と声をからした。
炭谷さんは選挙事務所で万歳し、「ダムは要らないという声が町民の信任を得た。しっかり反対の声を訴えていく」と言葉に力を込めた。 長崎新聞4月22日

選挙戦では、「川棚町の海を守ろう」、「川棚町の川を守ろう」、「川棚町の山を守ろう」の呼びかけに多くの人から、「そのとおり!」「頑張って!」の声が絶えなかったとのことです。 東京の水連絡会


2020年東京オリンピック 「東京砂漠」を防ぐため  今夏から水確保
⑨小河内ダム
(写真は1964年の渇水時の小河内ダム。都水道局より)
1964年の東京五輪では開催直前の夏が渇水となり、最大50%の給水制限を実施。
昼間も断水して「東京砂漠」と言われた。近年も猛暑や少雨で取水制限が発生していることから、今夏からダムの水を温存するなどの取り組みを始める。
対策を進めるのは、関東地方整備局や水資源機構など関係機関で構成する東京2020オリンピック・パラリンピック渇水対策協議会。
水確保の大きな柱は、ダムの水の温存だ。ダムは通常、7月からの洪水期に備え、河川が氾濫しないよう雨水をため込む「洪水調節容量」を設けるため、水位を下げる。それを首都圏7カ所のダムは、洪水にならない範囲で例年より水を多くためたままにする。
会場のある東京都や埼玉、千葉両県の水源になっている利根川上流のダムの水を、できるだけ使わないための手も打つ。利根川から分かれる江戸川の水量確保に、霞ケ浦などの水を北千葉導水路を通じて供給。矢木沢ダムなどの貯水量を極力減らさないようにする。これらの対策で、首都圏のダムの容量は64年の5.8倍に膨らむという。            NIKKEI STYLE  4月22日 

    以前からこのような既存施設の有効活用を心掛けていたら、八ッ場ダムなどは不要になっていたはずです。また、霞ケ浦などの水を北千葉導水路(利根川と江戸川をつなぐ23キロの地下水路)を通じて江戸川に供給とありますが、1995年に霞ケ浦の水を利根川に送水したところ、水質悪化でシジミの大量死が発生。それ以来一度も霞ケ浦の水を利根川に送水したこたがありません。     東京の水連絡会

中国支援の巨大ダム、建設再開の動きに数千人が抗議  ミャンマー
⑩ミャンマーのダム反対デモ。(ミャンマー北部カチン州で、ミッソンダムの建設再開に抗議する人々)
ミャンマー北部カチン州で22日、中国の支援を受けた巨大ダム、ミッソンダムの建設再開の動きに抗議するデモが行われ、数千人が参加した。
ダムの建設予定地は、ミャンマーを代表する河川、エーヤワディー川(旧称イラワジ川)の上流。ここに発電能力6000メガワットのミッソンダムが建設されれば、シンガポールと同程度の面積が水没し、数万人もの住民が立ち退きを余儀なくされる。
建設予定地から50キロほど離れたカチン州の町ワイモウで行われたデモの参加者たちは、ダム建設は大規模な環境破壊を招く上、ミャンマー側への恩恵はほとんどないと訴えた。
旧軍事政権と中国政府は2009年、カチン州のミッソンにダムを建設する契約を締結。しかし民政移行に伴い、建設に反対する民衆の怒りが表面化したことから、総工費36億ドル(約4030億円)をかけたダム建設は2011年に工事が中断されていた。 だが近年、中国は南部国境を接するミャンマーに対し、ダム建設の再開圧力を強めている。
アウン・サン・スー・チー国家顧問も、以前はダム建設に反対の立場だった。しかし、今年3月の演説では「もっと広い視野で」ダム建設を考えるよう国民に促しており、スー・チー氏は建設賛成派に豹変したのではと、多くの人々が懸念している。
AFPP NEWS 4月25日

       かつて、ダム反対を訴えていたカチン独立軍と軍事政権下の国軍の間で戦争状態(2011~13年)になったことがありますが、現在、一民族の反対運動を越えて環境破壊への危惧と中国への不信感からミャンマー全国にダム反対の声が広がっています。
 東京の水連絡会

シラスウナギ漁が過去最低の恐れ 3月末わずか3トン 挽回見込み「薄い」
⑪ウナギ漁獲量
(ニホンウナギ稚魚国内採捕量の推移グラフ )
 国内のニホンウナギ稚魚(シラスウナギ)採捕量が過去最低となる可能性が高まってきた。水産庁がまとめた2019年漁期(18年11月~19年10月)の3月末時点の国内採捕量は3トン未満とみられ、極端な不漁となっている。採捕シーズンは例年4月にほぼ終わるため、このまま回復しなければ過去最低だった13年の5・2トンをさらに下回る記録的な凶漁となる。
ピークだった1963年の232トンと比べると、2018年は96%減の8・9トンまで落ち込んでいる。前期は春に採捕量が上向いたが「今期は中国、台湾で採捕量が増えたという話は聞いていないため、日本だけ採捕量が回復する見込みは薄い」という。 
みなと新聞4月25日

二ホンウナギの資源保護・回復のための抜本的な対策は何か。日本列島の主要河川をウナギ・サンクチュアリ(保護区)として、向こう10年間にわたり完全禁漁。その間に資源調査を徹底。同時に河川環境の改善のために早急に打つ手は何かを検討する必要があるのではないでしょうか。

東京の水連絡会
(*ここ30年の世界のウナギ資源の推移と密漁に関しては、http://suigenren.jp/news/2018/03/16/10227/

水道料金 3〜5年ごとに見直しへ 値上げの動き拡大か
⑫水道料金の推移グラフ。
厚生労働省は、自治体などが運営する水道事業者に、3〜5年ごとに水道料金の検証と見直しを求める方針を決めた。人口減少による収入減と、老朽化した水道管の更新費用の工面が全国的に深刻な課題になっており、安全な水を提供し続けるために財源の確保が必要になる。料金見直しのルール化で、値上げの動きが広がりそうだ。
厚労省の専門委員会が26日、料金見直しのルールを盛り込んだ基本方針案をまとめた。意見募集をした上で告示し、10月施行の改正水道法の施行規則にも同様の規定を追加する方針。
水道事業は原則、市町村が運営する。給水対象が5千人を超す事業者は、経費を料金収入で賄う「独立採算」が基本。だが、人口減少や節水によって水の使用量が減る一方、高度成長期に急速に整備された水道管が更新時期を迎えている。その費用もかさみ、経営環境は厳しくなっている。
日本水道協会によると、月20トン使う家庭用の平均料金は、2018年4月時点で3244円。5年間で平均135円上がり、4割引き上げた自治体もある。しかし、水道は命に関わる生活インフラで、水道法は安価な水の供給を目的としている。料金値上げへの抵抗感は強く、踏み切れない自治体は少なくない。 朝日新聞 4月27日

     厚生労働省は水道料金改定については従前から、「5年先を見て」としています。「5年間の見通し」で水道事業を見直していたならば、現在の危機的状況は改善されていたでしょう。
 東京の水連絡会
(カバー写真は青森県の白神山地を流れる赤石川)     2019・4・30記

















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Tokyo no Mizu

Author:Tokyo no Mizu
プロフィル

東京都は水道水のほぼ60%を利根川水系・荒川水系に依存しています。
つまり、自給率はほぼ40%。こんな自給率で異常気象や大地震が引き起こす
災害に備えることが出来るのでしょか。
私たちは大変に危うい水行政の元で暮らしています。
これまで東京の河川・地下水の保全と有効利用をめざしてきた市民グループ、
首都圏のダム問題に取り組んできた市民グループらが結束して、
「東京の水連絡会」を設立しました。
私たちは身近な水源を大切にし、都民のための水行政を東京都に求めると同時に、
私たちの力でより良い改革を実践していきます。
東京の水環境を良くしようと考えている皆さま、私たちと共に歩み始めましょう。
2016年9月24日。        
                   
      

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