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水の月刊ニュース8月号 News On Water 東京の水連絡会

8月カバー写真A
水の月刊ニュースNEWs On Water8月号は、2019年7月1日から31日までに起きた水に関するニュースをまとめたものです。(ニュースは新聞記事やテレビ報道を要約していますが、記事の趣旨を損なわないようにしています)

屈指の捕鯨基地・釧路港と下関港 復活なるか 
写真①
(捕獲したクジラにお神酒をかける関係者=2019年7月1日午後5時41分、北海道釧路市)
日本はクジラの資源管理を議論する国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、7月1日、31年ぶりに商業捕鯨が復活した。北海道釧路市からは沿岸操業を担う5隻の小型捕鯨船が出港、さっそく2頭を水揚げした。
また、「近代捕鯨のまち」を掲げる山口県下関市の下関港から、沖合で操業する捕鯨船団の母船「日新丸」が出港した。
出港に先立つ式典には、日新丸のほか、クジラを捕獲するキャッチャーボートとなる勇新丸と第3勇新丸の乗組員ら約200人が出席した。反捕鯨国であるオーストラリアの公共放送ABCも取材に訪れた。
写真②日進丸  
(写真は下関港から出航まじかの日新丸) 朝日新聞 7月2日

商業捕鯨再開 国際理解軽視の船出
日本は今月、31年ぶりに商業捕鯨を再開した。国際捕鯨委員会(IWC)から6月限りで正式脱退した翌日、水産庁が新しい捕鯨枠を公表し、下関、釧路から捕鯨船が出港した。領海と排他的経済水域の中で、年末までに200頭余りのクジラを捕る計画だ。 ただ、国の政策としてみたとき、大きな不安が2つある。
一つは、IWC脱退に続く即座の商業捕鯨再開が、国際関係において他国との協調や法の支配を重んじる姿勢からの後退につながる危険性だ。
国連海洋法条約65条は、鯨類の保存や管理について「適当な国際機関を通じて活動する」と定める。IWC脱退後の捕鯨がこの要件を満たさないと判断されれば、国際裁判を起こされるリスクもある。
捕鯨関係者の中にも、現状で65条を満たしているとはいいにくいとの見方がある。
昨年末の脱退決定も、検討過程を伏せたまま閣議決定し、翌日公表した。一貫してプロセスが不透明で、議論がなさ過ぎる。
もう一つの不安は「商業」として成り立つかどうかだ。 政府は再開が「31年ぶり」であるのを理由に、漁場探査や解体技術の支援に今年度19億円を投じる。だが、補助金頼みが続くのであれば、自立した産業とはいいがたい。             7月9日 朝日新聞 社説より

西日本豪雨 災害関連死は53人 直接死を含む犠牲者は275人に
写真③小田川氾濫
(写真は堤防が決壊し〈中央下〉街を濁流が覆い尽くした小田川)
昨年7月の西日本豪雨による災害関連死の認定者数が53人(4日現在)に上ることが、被災自治体への取材で明らかになった。
全員が豪雨で特に大きな被害を受けた広島、岡山、愛媛の3県の住民で、審査待ちが少なくとも24人あるため今後も更に増える見通しだ。一方、毎日新聞の調査で関連死について審査委員会などを設置・予定しながら、制度を被災者に周知していない自治体が8割に上ることが判明。専門家は「遺族が制度を知らずに、関連死が埋もれているケースがあるのではないか」と指摘する。
関連死は洪水による水死などの直接死ではなく、避難生活によるストレスや復旧作業による体調悪化など、災害が間接的な原因となって死亡するケース。阪神大震災(1995年)から注目されるようになった。
総務省消防庁によると、西日本豪雨の直接死は14府県計222人。関連死53人と合わせると、死者は14府県で275人に上る。 7月5日 毎日新聞

魚類の吸い込み防止試験を開始 霞ケ浦導水事業
④那珂川、取水口
(写真は試験施設の取水口=水戸市渡里町の那珂川)
那珂川と利根川を霞ケ浦を経て地下トンネルでつなぎ、水を行き来させる霞ケ浦導水事業で、国土交通省は8日、取水時に魚類を吸い込まないための試験を始めた。那珂川から桜川や千波湖に送水し、3年程度かけて有効な対策を探る。
霞ケ浦導水工事事務所によると、この日午前、水戸市渡里町の那珂機場に建設した施設で、那珂川からの取水を始めた。取水口は4門あり、前面に稚魚を吸い込まないための網のほか、川底の部分に底生魚が入り込まないような「魚返し」などを設けている。
試験期間中は、アユやサケ、サクラマスのほか、ウナギ、モクズガニといった魚種を対象に、どれほど取水口の中に入り込むのかや、迷い込み防止にはどのような対策が効果的なのかを探るという。
霞ケ浦導水事業は、那珂川から霞ケ浦までの延長約43キロと、霞ケ浦と利根川をつなぐ約2・6キロの導水路からなる。両河川の水をやりとりすることで、渇水時に飲み水や工業用水を確保したり、霞ケ浦や桜川などの水質浄化をはかったりする狙いがある。2023年度の完成見込みで、工事の進捗状況は約40%という。7月9日 朝日新聞茨城版

「力づくで古里奪うな」 石木ダム地権者ら尋問 地裁佐世保支部
⑤石木ダム
(写真は朝日新聞長崎版から)
東彼川棚町に石木ダム建設を計画する県と佐世保市に、反対地権者らが工事差し止めを求めた訴訟の第12回口頭弁論が17日、長崎地裁佐世保支部(平井健一郎裁判長)であった。水没予定地の住民ら原告7人が当事者尋問に出廷し「力づくで古里を奪わないでほしい」と訴えた。次回期日の11月18日に結審予定。
石木ダムを巡っては、県収用委員会の裁決で宅地を含む全ての未買収地の強制収用が決まっている。住民の岩本宏之さんは「崖っぷちに立たされ、眠れない夜もある」、石丸勇さんは「大変な人権侵害だ」と怒りをあらわにした。岩下すみ子さんは「地域の人たちとのつながりを長い年月をかけて築き上げてきた。失いたくない」と声を詰まらせた。
このほか石丸穂澄さんと松本好央さんは、イベントや会員制交流サイト(SNS)などを通じて、事業への疑問や反対の声に対する共感が全国で広がっていると主張した。
水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表と市民団体「石木川まもり隊」の松本美智恵代表も出廷。嶋津共同代表は、石木ダムの治水効果は川棚川下流域にしか及ばず、上流域には氾濫のリスクが残っているとし「費用対効果が小さい」と強調。松本代表は人口減少による水需要の低下などを指摘し「誰のための公共事業か。県と佐世保市は現実を直視してほしい」とダム以外の利水対策を検討するよう求めた。 
7月18日 長崎新聞

高規格堤防訴訟 住民側再び敗訴
ST堤防デモ
写真は裁判所前での原告側のデモ)
国が進める高規格堤防(スーパー堤防)の整備事業で、江戸川区の住民4人が、国と区に計400万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が16日、東京高裁(都築政則裁判長)であった。
判決は、一審・東京地裁判決と同様に、住民側の請求を退けた。
一般的な堤防は断面が山型になっているが、スーパー堤防は住宅地側へさらに土を盛って、傾斜をなだらかにして、裾野部分を長くする。裾野部分を道路用地などとして活用でき、川の水があふれても決壊の危険が少なく、被害を軽減できるとされる。
住民側は、一部でしか整備が進んでいないスーパー堤防で洪水は防げないと主張。土を盛る際に転居や仮住まいを強いられたのは不当だと訴えていた。
判決は、「整備には必要性、公共性がある」などとして訴えを退けた。
7月17日朝日新聞      

サンマ漁獲、数量制限で合意 中国の乱獲に歯止め
⑥サンマ
公海での漁獲割当量を年33万トンで合意した日本や中国、台湾など8カ国・地域がサンマの資源管理を話し合う「北太平洋漁業委員会」の年次会合が18日閉幕した。資源保護のため、漁獲枠を年55万6250トン、うち公海を年33万トンに設定することで各国が合意した。数量規制を目指す日本に中国が反発し、2年連続で決裂していた。初めて国際的な数量制限が実現し、乱獲に一定の歯止めがかかる。
日本のサンマ漁は不振が続き、理由の一つに中国や台湾の乱獲があるとされる。公海と排他的経済水域(EEZ)を含めたサンマの漁獲量は各国合計で2018年は約44万トンだった。今回はこの実績を上回る水準の枠を設けることで合意した。
数量規制は2020年の漁業期から導入する。国別の具体的な配分は来年の年次会合で決める。会合は16日に都内で始まり、各国の漁業政策の担当者らが3日間、資源保護について話し合った。 7月19日 日経新聞

「土用のウナギ予約を」環境省公式ツイート、炎上し削除
⑦うな重
(写真は削除された環境省のツイッター)
「土用のウナギはご予約を」。今月27日の土用の丑(うし)の日を前に、環境省の公式ツイッターが22日夜、うな重の画像とともにこんなつぶやきをアップしたところ「炎上」、ツイートを削除する事態になった。
問題のつぶやきは、「食品ロスにならないように大事にいただきましょう。食べる方はできるだけ予約して、季節の行事を楽しみましょう!」と呼びかける内容。
ネットにアップ直後から「ウナギの破棄問題はわかるけど、この時代にわざわざ食べることを推奨しますか?」などと批判が相次いだ。
環境省はアップして数時間後の22日夜、このつぶやきを削除したが、理由説明などがなかったため、今度はその対応に批判が出て、複数のユーザーが保存していたツイート画像を投稿。23日午前時点でも拡散は収まっていない。
7月23日 朝日新聞

欧州ウナギ稚魚、2割超密輸 3600億円規模の闇ビジネスに
⑧シラスウナギ
(写真:ドイツ東部ブランデンブルク州の養魚場で泳ぐシラスウナギ)
欧州警察機関(ユーロポール)は26日までに、欧州に到達する絶滅危惧種ヨーロッパウナギの稚魚シラスウナギの2割超が、中国などアジアヘ密輸され、約30億ユーロ(3千6百億円)規模の闇ビジネスになっていると明らかにした。欧州各国の捜査当局は、昨年秋から今年春の漁期に前年より約5割増の253人の密輸関係者らを逮捕。1500万匹を押収した。
東アジアでの養殖用ニホンウナギの稚魚の激減と価格高騰が背景にある。欧州のウナギ保護団体サステナプル・イール・グループ(SEG)のアンドリユー・カー代表は「金額で見れば野生動物に対する世界最大の犯罪だ。貴重な種の回復を損ねている」と訴えた。欧州連合(EU)は回復を目指しヨーロッパウナギの域外輸出を禁止している。     7月27日 東京新聞

最上小国川ダム訴訟で原告側の訴え退ける 山形地裁
小国川ダムB
(最上小国川ダム 2019年7月12日撮影)
山形県が最上町に建設している「最上小国川ダム」を巡り、市民団体「最上小国川の清流を守る会」が公金支出の差し止めなどを求めた住民訴訟の判決が30日、山形地裁であった。貝原信之裁判長は、ダムの建設に違法性はないと判断し、原告側の訴えを退けた。
ダムは洪水時だけ貯水する「穴あきダム」。水の流出口が土砂や流木で閉塞(へいそく)する危険性や、アユをはじめとした生態系への影響の有無などが争点となった。
判決は、ダムの設計が合理的だとして、流出口が閉ざされる危険性は大きくないと判断。上流側がダム湖化する恐れがあるとした原告側の主張を否定した。また、環境には一定の影響が出るとしたものの、重大とまでは認めなかった。
原告団の清野真人事務局長(75)は「訴訟の中で、穴あきダムの問題を議論できた。全国の人にもプラスになれば」と話した。控訴するかどうかは今後、検討するとしている。
これに対し、山形県の吉村美栄子知事は「最上小国川の内水面漁業の振興、流域の治水対策に努める」とのコメントを出した。
7月30日 毎日新聞

県庁騒然 石木ダム反対派200人 6時間の抗議活動
⑩石木抗議
(写真は県の担当者に詰め寄る地権者ら)
県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業に反対する地権者や市民団体などの約200人が30日、約6時間にわたり県庁内で抗議活動を実施し、庁内は一時騒然となった。家屋を含む土地の明け渡しを地権者に求める県収用委員会の裁決が出た中で、地権者らの不満が爆発した形となった。
反対派は、強制収用の取り下げを求める中村法道知事宛ての要請書を提出するために県庁を訪れた。「強制収用やめろ」と書かれたプラカードなどを掲げ、「知事以外とは話をしない」「知事を呼べ」と叫んだ。知事の執務室がある4階の秘書課の前に詰め掛け、県職員ともみ合いになる場面もあった。
知事は出張中で不在。反対派は要請書を副知事に手渡すことを求めたが、副知事は「公務中」を理由に姿を見せなかった。県側は担当課が要請書を預かるとしたが、反対派は納得せず要請書を持ち帰り、午後4時ごろに抗議活動が終了した。
地権者の岩下和雄さんは「10分空けてくれるだけでいいのに、それもできず私たちの土地を取り上げるのか」と憤慨。地権者で川棚町議の炭谷猛さんは「県政の懸案事項という割に対応がおかしい。知事は自分の仕事に責任を持っているのか」と怒りを示した。       7月31日 長崎新聞

テレビ報道 KTNテレビ長崎(動画)www.youtube.com/watch


8月号カバー写真は秋田県を流れる成瀬川の渓流。この2キロほど上流に成瀬ダム建設が2018年秋から始まっています。誰も知らない山奥のダムです。(下の写真)
 ⑪成瀬ダム
(成瀬ダムは総工費1530億円。堤高114m・堤長755mの国の直轄ダムで完成予定は
2024年。農業・水道用水・発電と治水のための多目的ダム。しかし利水にも治水にも
不要な無駄ダムです。2019年7月10日撮影)

                           2019・7・31 記







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Tokyo no Mizu

Author:Tokyo no Mizu
プロフィル

東京都は水道水のほぼ60%を利根川水系・荒川水系に依存しています。
つまり、自給率はほぼ40%。こんな自給率で異常気象や大地震が引き起こす
災害に備えることが出来るのでしょか。
私たちは大変に危うい水行政の元で暮らしています。
これまで東京の河川・地下水の保全と有効利用をめざしてきた市民グループ、
首都圏のダム問題に取り組んできた市民グループらが結束して、
「東京の水連絡会」を設立しました。
私たちは身近な水源を大切にし、都民のための水行政を東京都に求めると同時に、
私たちの力でより良い改革を実践していきます。
東京の水環境を良くしようと考えている皆さま、私たちと共に歩み始めましょう。
2016年9月24日。        
                   
      

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