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水の月刊ニュース9月号 News On Water 東京の水連絡会


9月号表紙:タイトル入り
水の月刊ニュースNEWs On Water9月号は、2019年8月1日から31日までに起きた水に関するニュースをまとめたものです。(ニュースは新聞記事やテレビ報道を要約していますが、記事の趣旨を損なわないようにしています)

静岡「サクラエビ」不漁を招いた一流企業のアッと驚く環境破壊
①由比港
(写真は静岡県由比港)
 長引く不漁の影響はその値段を見れば一目瞭然だ。静岡県由比港では、伊勢えびの店頭価格が1キロ=8千円のところ、サクラエビは1キロ=1万3千円と過去最高を記録する事態に。そうしたなか地元では、ある「一流企業」に疑惑の目が向けられているのだ。地元ではかねてからサクラエビの漁場・駿河湾に注ぐ富士川の「濁り」が問題視されてきた。
富士川の水質を調査した「たかはし河川生物調査事務所」代表の高橋勇夫氏によれば、
「水の濁り方は尋常ではなかった。川底まで太陽光が届かず光合成ができないため、川底の石には苔が生えません。苔を食べるアユをはじめ、ほとんどの魚が生息できない状態なのです」
問題を追及する中沢通訓静岡県議が話を継ぐ。
「富士川の上流では、日本軽金属が雨畑ダムという発電用の民間ダムを運営しています。ただ、そのダムはほとんど砂で埋まり、濁水が川に流れ込んでいる。さらに、日本軽金属の関連企業が雨畑ダム周辺で砂利を採取した際、余分な汚泥を上流域に不法投棄していたことも判明しました」
 不法投棄についてはすでに山梨県警が捜査に着手。加えて、関連企業が数千トンの生コンを川岸に廃棄していた疑いも浮上した。
令和の時代に、高度経済成長期の公害問題のような「垂れ流し」が横行していたことには呆れる。日本軽金属は1部上場の日本軽金属ホールディングスの主力企業である。
週刊新潮 8月8日号

国、日軽金に行政指導 雨畑ダム堆砂「抜本解決を」
②雨畑ダム
(写真は土砂で9割以上が埋まり水害が危ぐされる雨畑ダム)
 駿河湾サクラエビの不漁を受け、静岡、山梨両県が濁りの実態調査を進める雨畑ダムの堆砂率が9割を超え、水害が危ぐされている問題で、国土交通省は13日、ダムを管理する日本軽金属(東京都品川区)に対し、現状を抜本的に解決するよう文書で行政指導した、と発表した。山梨県も同日、同社に同様の要請を行い、国に対し同社を指導するよう要望したことを明らかにした。
 同省によると、同様の行政指導は熊本・球磨川の瀬戸石ダムに次ぎ全国2例目。
国と同県が堆砂問題の是正に乗り出したことで、同ダムを埋める土砂や泥が駿河湾に注ぐ濁り水の要因とされる問題も新たな局面を迎えることになる。
静岡新聞8月14 日

中国が「スーパー水力発電所群」を建設中、能力は三峡ダムの2倍
③中国スーパーダム
 2019年8月9日、中国中央電視台(中国中央テレビ)は四川省と雲南省の境を流れる金沙江に建設されているダム(水力発電所群)を紹介。主要な烏東徳、白鶴灘、渓洛渡、向家壩の水力発電所4カ所だけで、発電能力は三峡ダムの約2倍に達するという。
(写真は建設中の烏東徳ダム)
金沙江は青海省の崑崙山脈を水源とし、チベット自治区と四川省の境を南下して、四川省に入り岷江と合流して長江になる。
 記事は烏東徳ダムを「スーパーダム」と紹介。烏東徳ダムの高さは最大で270メートルで底部の厚さは51メートル。高度が300メートル前後のダムとしては「異例の薄さ」という。そのため、極めて重要なのがコンクリートの「質」だという。
最大の問題は、コンクリートの主材料となるセメントは水と混ぜて固める際に発熱することだ。その際に温度が上昇しすぎると、その後に冷却した際との温度差でひび割れが発生する。このひび割れは、ダム建設の大きな課題という。 温度上昇を抑える「切り札」になったのが、三峡ダム建設の際に開発させた「解熱剤」。コンクリートに添加することで発熱を抑える薬剤で、ダムを形成するコンクリート全体に使用されるのは、烏東徳ダムが初めてという。
Record china  8月14日

ナイル川に巨大ダムの衝撃 上流のエチオピアが建設
④アフリカ・エチオピア・ダム
(写真はグランド・エチオピアン・ルネサンス・ダム)
 人口が急激に増加し、経済発展を続けるエチオピアで今、成長を支えるアフリカ最大級となる巨大ダムの建設がナイル川上流で進められている。
スーダンとの国境に近い山間部に建設中の「ルネサンス・ダム」だ。中央部に設けられたゲートを青ナイル川が通る。この流れは、スーダンで白ナイル川と合流し、大河ナイル川となってエジプトに向かう。
 名前に付けられた「ルネサンス(再生)」には、かつて世界最貧国とされた時代から決別し、大きな飛躍を願う思いが込められた。
 エチオピアはナイル川の上流に位置するにもかかわらず、その水利権を下流域の国に無視されてきた。ナイル川の取水権はエジプトが8割、スーダンが2割を持つとされた。エチオピアなどの上流域国が水資源を利用するプロジェクトを実施するには、エジプトに監督権があるとされた。
エチオピアは反発し続けたが、地域大国エジプトとの力関係は明白だった。
ダム建設は、エジプトの影響力低下を如実に物語っている。「ナイルの水が2%減っただけで、エジプト農民ら100万人が収入を失うとの試算がある」という、まさに生命線である青ナイル川に「蛇口」を取り付けられ、エジプトの命運をエチオピアに握られる形だ。
朝日新聞 8月18日


石木ダムに疑問投げ掛け 元ラムサール条約事務局次長 予定地を視察
⑥石木・ラムサール氏
(写真は石木ダムの建設予定地を訪れたデイビッドソン氏)
 元ラムサール条約事務局次長のニック・デイビッドソン氏(66)は22日、県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダムの建設予定地を視察した。
 ラムサール条約は、国際的な湿地などの保全を目的としている。英国人のデイビッドソン氏は2000年から15年にわたり事務局次長を務めた。今回、ラムサール・ネットワーク日本が東京で開くシンポジウムに出席するため来日した。
 デイビッドソン氏は、県石木ダム建設事務所(川棚町)を訪問。その後、建設予定地を訪れ、地域住民から話を聞いた。
 住民との意見交換では「世界中にダムはたくさんあるが、目的を達成できていないものも多い」と指摘。あくまでもダム建設は治水、利水の「最終手段」であることを強調した。その上で「1970年代の計画で今のニーズに合っているのか、本当にほかに方法はないのか、県には考えてほしい」と述べた。
長崎新聞 8月23日

リニア大井川問題、全量回復を事実上撤回 JR「約束ではない」

⑤リニア新幹線
(写真はJR東海HPから)
 リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う大井川流量減少問題で、JR東海の新美憲一中央新幹線推進本部副本部長は29日、昨年10月に同社が表明したトンネル湧水の全量を大井川に戻す方針に関し「約束ではない」との認識を示した。全量回復とした当初の方針は「工事完了後との認識だった」と釈明し、工事中を含むトンネル湧水の全てを大井川に戻すとする方針を事実上撤回した。
 流域市町や利水団体は「全量」には、工事中に発生する湧水も含まれるという認識で「約束が守られていない」(大井川土地改良区の内田幸男理事長)と不信感を募らせている。利水関係者とJRとの今後の協議に影響する可能性もある。
 静岡新聞 8月30日

石木ダム討論求め5万人署名提出
⑦石木ダム。6万筆
 石木ダム建設の是非を巡り、公開討論会を開くよう求めて署名活動を行っている市民団体のメンバーが県庁を訪れ、河川課の浦瀬俊郎課長に5万947人分の署名を提出しました。
 県と佐世保市が川棚町に建設を進めている石木ダムを巡っては、今年5月に県の収用委員会の裁決が出て、ダムの建設に必要な全ての土地を強制的に収容できるようになっています。
 浦瀬課長は「石木ダムの事業認定の取り消しなどを巡る裁判の途中なので、今は公開討論のタイミングではない。今回の要望を中村知事に伝え、引き続き県民に石木ダムの意義を分かりやすく広報していきたい」と述べました。
 このあと、記者会見で市民団体のメンバーの1人でアウトドアショップ「パタゴニア」の日本支社の支社長を務める辻井隆行さんは「透明性のある話し合いの場をきっかけに、今の社会的要請を反映した社会全体に求められる計画に生まれ変わることを願っている」と話していました。
NHKニュース 8月28日

* カバー写真は秋田県・成瀬川の源流                   
2019・8・31 記






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Tokyo no Mizu

Author:Tokyo no Mizu
プロフィル

東京都は水道水のほぼ60%を利根川水系・荒川水系に依存しています。
つまり、自給率はほぼ40%。こんな自給率で異常気象や大地震が引き起こす
災害に備えることが出来るのでしょか。
私たちは大変に危うい水行政の元で暮らしています。
これまで東京の河川・地下水の保全と有効利用をめざしてきた市民グループ、
首都圏のダム問題に取り組んできた市民グループらが結束して、
「東京の水連絡会」を設立しました。
私たちは身近な水源を大切にし、都民のための水行政を東京都に求めると同時に、
私たちの力でより良い改革を実践していきます。
東京の水環境を良くしようと考えている皆さま、私たちと共に歩み始めましょう。
2016年9月24日。        
                   
      

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