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下水調査で判る、新型コロナウイルス感染症

コロナ:米
(画像:米国立アレルギー感染症研究所)

東京都が新型コロナウイルス感染症(COVID19)対策として
下水処理場流入水を採水して凍結保存するわけ
 
                  遠藤保男

「東京都が新型コロナウイルス感染症対策として下水処理場流入水を採水して凍結保存を始めました」と報じています。
この新しい試みがうまくいけば、東京都に感染症にかかっている人たちが、どこの地域に多いのか、少ないのかを知る上で、極めて有効な情報を得ることができるでしょう。
第2次感染あるいは第3次感染があると言われていますが、毎日毎日下水処理場流入水を調査することで、その兆候をいち早く見つけることも可能になると思われます。新型コロナウイルス感染が判明した下水処理場の集水域のどのあたりで感染が見られるのかを知るには、下水処理場への下水道管を上流にさかのぼって行き、いくつかの地点で採水して調べることで感染域を特定することも可能です。

   何故そのようなことが言えるのか、その理由を探ってみましょう。
 まず第1は、新型コロナウイルスに感染した人の大便には多かれ少なかれ、必ず新型コロナウイルスが排出されるからです。 特に消化器系に繁殖した場合は、下痢便となって排出されます。水洗トイレに排出された大便は 下水管を通って下水処理場に流れつきます。それゆえ下水処理場への流入水を調べることで、新型コロナウイルス感染者がその地域にいたことがわかります。
 2つ目は、東京都には区部はもちろん多摩地区ほぼ全域に、下水道管が張り巡らされていることです。各家庭や事業所など全てトイレからの排水は、下水道管を経て下水処理場に流れ込みます。 下水処理場に流入した汚水は一般に活性汚泥で処理され、最終的には塩素による殺菌処理を経て、川や海に放流されています。下水処理場からの放流水は塩素で殺菌されているので、新型コロナウイルスは死に絶えています。

おっととっと、ちょっと待ってください。話が進みすぎます。
新型コロナウイルスが何故おしりから出てくるのかをさぐります。
新型コロナウイルスは動物の体内でしか増殖することができません。
新型コロナウイルスは人間のどの部分から体に入ってどこで増殖するのでしょうか?

 新型コロナウイルスは咳やくしゃみ、あるいは大きな声を出す時に口から飛散する唾液などの飛沫に含まれて、飛散すると言われています。
その飛沫が鼻や口から直接入り込んだり、その飛散物がこびりついている手すりなどに手で触ることによって 手に染付いて、結果的にそれが口から取り込まれると言われています。それゆえ感染防止対策としては手を洗うこと、感染者の鼻や口からの飛散物が届かない範囲にいること、飛散物を口から吸い込まないように、あるいは逆に、自分の口や鼻から飛散物が飛び出して感染源にならないようにマスクで押さえ込むことなどが重要になります。

コロナ:日本
(新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真:国立感染症研究所より)

 口や鼻から入り込んだ新型コロナウイルスは、喉の粘膜に付着して増殖を始めます。この時、鼻水が垂れたり、場合によっては味やにおいの感覚に影響がでることもあるようです。
 喉の粘膜で増殖した新型コロナウイルスは、消化器系もしくは呼吸器系器官へと流れ込みます。消化器系へ流れ込むと、食道を経て胃へ入り、普通は、胃酸で死滅してしまいます。
呼吸器系へ流れ込むと、気管支、さらに細分化された肺胞へと入り込み、増殖を重ねます。
気管支で繁殖すれば気管支炎、肺で増殖すれば肺炎という症状に陥ります。肺炎が重篤になると肺胞が完全に充血して酸素交換が不能となり、人体は酸欠で死に至ります。
肺胞の充血を押さえることができれば、新型コロナによる死亡は避けられるでしょう。そうなるまでに抗体が新型コロナウイルスを捕捉するとか、有効な薬剤・紫外線などで死滅させることができれば、感染者は生還できます。
 人体が死に至ると新型コロナウイルスも生きて行くことはできなくなります。人体が死に至るのは新型コロナにとっても得策ではないのです。
 消化器系に入り込んだ新型コロナウイルスの多くは胃の段階で胃酸によって死に絶えるはずですが、あまりに新型コロナウイルスが多いとか、胃酸に耐性を持つ新型コロナがいると、その下流の消化器で繁殖します。大便中には、胃酸によって死に絶えた新型コロナウイルスの死骸、もしくは胃より下流の消化器で増殖して生きたままの新型コロナウイルスが存在し得るわけです(下痢便)。
 呼吸器系に入り込んだ新型コロナウイルスが増殖すると、その一部は痰と共に喉に戻り、消化器の方へ流れ混んだり、痰として吐出されたり、咳と共に口外に飛沫となって吐出されたりします。
体内で増殖した新型コロナウイルスは、口や鼻、そして肛門から体外に排出されます。それ故に、マスク着用とか、近接自粛、手洗い、うがいの励行が必要になるわけです。

 前にも記したように、下水処理場に流入した新型コロナウイルスは、ほかの流入物と共に下水処理工程を流れ、最終的には塩素で死滅させられて、下水処理場放流水として場外の川や海に放流されます。
ただし、汚水と雨水が一緒になって下水管を流れる下水道方式=合流式の場合は、大雨の時には下水処理場にたどり着く前に川に放流されたり、処理場で不十分な処理のまま放流されることがあります。その場合は、新型コロナウイルスも塩素処理なし、もしくは不十分なままで放流されてしまうので、放流先下流域は新型コロナウイルスに汚染されることになります。それは、とても危険な状態です。合流式を、雨と汚水を別々に集める分流式への改造が急務です。

下水採取
(芝浦水再生センターで下水採取する職員 日経ニュースデジタルより)

話を東京の下水道に戻します
下水道システムは、①トイレや台所、洗面台、お風呂・・・・等からの廃水すべてを下水道管に取り込み、②その最下流部の終末下水処理場(再処理センター)に流し込んで浄化処理を施し、③塩素処理をして放流する、という仕組みで成り立っています。
(下水道の仕組みは下記URLから)
https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/business/pdf/sewerageintokyo2018_2.pdf

東京都には下水道システム(処理区)が、区部に10処理区あります。
(下段URLは区部の下水道マップ)
https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/business/pdf/sewerageintokyo2018_3.pdf

多摩部には、流域下水道8処理区と、三鷹市、立川市、八王子市それぞれの処理区、町村管理の処理区があります。(下段URLは多摩地区の下水道マップ)
https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/business/pdf/sewerageintokyo2018_4.pdf

上記の処理区に設置されている下水処理場・水再生センターの流入水を調べることで、東京都全域の新型コロナウイルス汚染状況を把握できます。
流入水中に含まれる新型コロナウイルスの遺伝子であるRNAを測定する、つまり、PCR検査を行うことになります。流入水から新型コロナウイルスが掲出されたならば、その下水処理場・水再生センターに接続されている下水道管(本管)を上流側にたどり、本管に流れ込んでいる枝管ごとにPCR検査を行うことで、更に詳しい汚染状況を知ることができます。
 このようにして新型コロナウイルスによる汚染実態をつかむことで、より効果的な汚染拡大防止対策を立てることができるでしょう。

2020・5・25 記


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プロフィール

Tokyo no Mizu

Author:Tokyo no Mizu
プロフィル

東京都は水道水のほぼ60%を利根川水系・荒川水系に依存しています。
つまり、自給率はほぼ40%。こんな自給率で異常気象や大地震が引き起こす
災害に備えることが出来るのでしょか。
私たちは大変に危うい水行政の元で暮らしています。
これまで東京の河川・地下水の保全と有効利用をめざしてきた市民グループ、
首都圏のダム問題に取り組んできた市民グループらが結束して、
「東京の水連絡会」を設立しました。
私たちは身近な水源を大切にし、都民のための水行政を東京都に求めると同時に、
私たちの力でより良い改革を実践していきます。
東京の水環境を良くしようと考えている皆さま、私たちと共に歩み始めましょう。
2016年9月24日。        
                   
      

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